お蔭様で「工ンチョーDIYグランプリ」も今年で13回を数えることとなりました。
1994年のスタート以来年々応募作品も増え、本年は、全国各地から667点という数多くの作品が寄せられました。主催者として大変感謝しております。
審査には、新しいアイデアや表現に出会う楽しみがある一方、数値化できないものを順位付けするという難しさが同居しており、今年もその両面を味わいました。
応募いただきました作品からは、作られた方のライフスタイルを彷彿とさせる作品が多く、作者の意志や主張、創造力が強く感じられました。DIYが皆様の生活に深く、密接に浸透していることを改めて実感しました次第です。また、ガーデニング部門の作品がグランプリに選ばれたことに象徴されますようにガーデニングやリフォームの部門での応募が増加し、そのレベルは年々高まっているように思われます。
これからも「工ンチョーDIYグランプリ」をはじめ、様々な企業活動を通じ、皆様にDIYの楽しさ、素晴らしさをお伝えできるよう努力してまいりますので、変わらぬご理解、ご支援を心よりお願い申します。
平成18年11月吉日
DIYグランプリ
「トーネットの門」/水口 健司
イタリアを旅行した際、古びた構築物がガーデニングには重要だと感じ、植物に侵食されながら時を経た雰囲気を目指して、植栽の成長に合わせるように手作りで楽しみながら少しずつ作りました。門板のデザインをアールヌーボー調にしたかったので、昔エンチョーで購入し長年愛用して壊れてしまった「トーネット社のロッキングチェア(レプリカ)」のフレームを再利用しました。
工作大賞
「ベビーベッド」/加藤 啓伍
ベビーベッドは高さが高い物がほとんどですが、これは床とほぼ同じで、お母さんが赤ちゃんを寝かせたり抱き上げたりするのが、し易くなっています。そして、赤ちゃんが歩くようになった時、下の板を取ればサークルとして使えます。また下の板は、アセを吸いやすい杉板で通気性を良くするために穴を開けました。デザインは天使のような赤ちゃんをイメージしました。実用性もデザイン性もある作品ができました。
審査委員評…山村レイコ
「こんなベッドが欲しかったのよ~っ!」と、全てのお母さんが叫びそうな作品です。柵の高さや床の換気穴や幾通りもの使い方が出来るなど、機能性は抜群。お姫様や天使になれそうな可愛いデザインも一目で気に入りました。くるりんと丸まった四隅の仕上げも素晴らしく、大人にも赤ちゃんにも優しいベッド。もう一度あの頃に戻りた~い!?あ、材料費の安さもびっくりですね♪
「木熊(kiguma)」/寺田 高士
娘の2才の誕生日のプレゼントの為に作りました。娘の大好きな絵本にでてくるクマをモデルにしました。関節部分を可動にする事によって表情を豊かにしたいと思いました。子供の為という事で極力壊れにくい物を!と、心がけました。永く大切にしてほしいオモチャを作りたいと思いました。
審査委員評…太巻 隆信
なだらかな曲面と合せて緻密な関節構造が作り込まれています。関節に適度なフリクションを与えこのようなポーズで自立可能にしているのはお見事。顔の表情と四肢のバランス、ユーモラスな印象にデザインされています。確かな設計や加工術。さらに黒檀などの硬木をここまで仕上げるのには、プレゼントする2歳の娘さんへの並々ならぬ愛情を感じます。
リフォーム大賞
「和む部屋(囲炉裏のある部屋)」/今川 定彦(竜汰・瑛梨香)
小屋を整理していたら堀こたつや火鉢が出て来て、捨てるのはもったいないという事で囲炉裏部屋として再製しました。天井を2F根太まで上げ、ダクトを設置し、堀りこたつを火棚とし、天井材はロールカーテンを使用、押入は天井までの収納壁に。囲炉裏は取外し可能です。
審査委員評…中田香苗
作品から、今川さんのリフォームを楽しまれている様子が伝わります。モノを捨てるのはもったいないの観点から、趣のある和室が完成。モノを活かすところから始まり、お子様と一緒に仕上げた作品は愛着のある正に、和む部屋になったのではないでしょうか?リフォームというと和から洋への場合が多い中、とても目を引く作品でした。
ガーデニング大賞
「アプローチと庭 "南欧風多肉ガーデン"」/鈴木 孝行
2年半前に新築した時、外構の事まで気が回らなかったが、昔友人がDIYで庭を造っていた事を思い出して、自分でやろうと決意しました。写真で見える家とタイルのポーチ以外は植栽も含め全て私のDIYによるものです。全く素人の状態からインターネットや本で調べながら全て1人で造って来ました。特徴は、数年前から始めた多肉植物を使って明るい色の素材との組合せで、南仏やスペインの様な乾いた感じを目指している事です。
審査委員評…古橋 くみ子
2年近くの年月で作りあげたアプローチとガーデンはエクステリアと植物の配置などがうまくマッチし雰囲気のある作品ができあがったと思います。曲線のラインも空間にリズムが表現できていますね。多肉植物は原種を含め1万種以上あるといわれ、色や形も多様です。性質や育て方のポイントを知ればもっと楽しみ方が広がりますよ。質感のあるテラコッタやオブジェなども飾ってみてはいかがでしょうか?
ジュニア工作部門
「森の音楽会(森の仲間たちと音楽会)」/杉山 隆
はこんでいるあいだにあつくなるので、せんぷうきをつけたらすずしいと思ったので、作った。せんぷうきは、手動で動きます。
審査委員評…八木 敏子
ジュニア部門には496作品の出品があり、どの作品を見てもアイデア性と工夫が結集されていると感じました。「森の仲間たちと音楽会」は自然の木や竹や実など使って、それぞれ表情豊かに細部に渡り気配りがされていました。秋の夜長に森の仲間たちが奏でる音楽会を家族中で楽しむ光景を想像するだけでも楽しくなる作品です。
「空缶つぶし」/菊地 諒
空缶を小さくして捨てたら良いなと思いました。むずかしかったところはねこの形にのこぎりで切る所です。
審査委員評…松原 伸悟
一つ一つの作品を直に手で触れたり動かしたりしていくと、どの作品も作者である子どもたちの日常生活やその中で育まれてきた夢が感じとれるものばかりでした。その中でも菊地君の作品は、お母さんから頼まれた「空缶つぶし」をもっと上手にもっと楽しくやりたいという積極的な気持ちが私たちに伝わってくる素晴らしい作品でした。
エンジョイDIY賞
「ころころスマートボール」/黒田 拓杜
<3つの遊びが合体> ●色々な仕掛けや音が出るようにしてある。ビー玉ころがしの最後の段が、月や星の仕掛のあるスマートボールになっています。 ●その側面には、色々な形、色のお花のスロープがあり、最後の段がスマートボールの箱の側面で、プールされるようになっています。 ●それぞれが、パーツにわけることができ、小スペースで収納できます。 ●パーツをはずし、自分の好みの段にセットできるのでビー玉のころがり方をいろいろと変えて楽しめます。 ●3つの合体させる柱にはビー玉置き場のくぼみがあり、大玉をよけて遊んだり、ビー玉の数を決めて競って遊んだりします。
審査委員評…大滝重次
見た目はシンプルに見えますが、各パーツは、細部に渡りアイデアに富んでいる作品です。ビー玉を何回も転がしながら、音、色、角度など家族皆で話し合いながら仕上げられていく過程が目に浮かんで、見ていてとても楽しくなります。想像力・DIY度・表現力・完成度の面でも優れていて尚且つ、家族皆の気持ちが一つになった作品です。
作品名 | 作者名 |
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我が家の移動花壇(御所車) | 袴田 好弘 |
7段重ね大型筆箱 | 佐野 隆藤 |
おままごとミニキッチン&ミニ冷蔵庫 | 諸田 朋美 |
スクロールソーアート「ベンガルトラ」 | 山田 厳 |
いろりテーブル | 増田 正直 |
スライド箪笥「さかな」 | 饗庭 弘治 |
”逆命利君”(さわりたくなる家具) | 小谷 満憲 |
寄木細工の将棋盤・将棋の駒 | 神田 和徳 |
クラシックギター | 増村 淳 |
ワイントレーラー | 今村 税次 |
ロッキンチェアーとデスク(座・THRONE)ザ・スローン | 飛野 匡彦 |
くるあんリビングおやじのミニバー | 柴田 徹 |
作品名 | 作者名 |
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収納力たっぷりの靴入れとなごみのギャラリー | 渡辺 利男 |
『片付い棚~、キレイになっ棚~』(居間の壁面収納棚) | 滝 静司 |
作品名 | 作者名 |
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フラワーゲイト(朝顔の門) | 高根澤 勇 |
憩いのベンチと手作り鉢カバー | 矢田 正子 |
古材再生!!ゴーヤガーデン | 田海 テル子 |
作品名 | 作者名 |
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電気スタンド | 上杉 崇夫 |
『天使のベッド』 | 提箸 一仁 |
木のおもちゃ「カタ・カタ・スットン」 | 秋山 貴英 |
CD入れと小物入れボックス | 宮本 正一 |
ごみ箱 | 前田 洋 |
パズル | 東山 正幸 |
鮎釣り仕掛収納BOX | 鈴木 伸司 |
動物型フラワーボックス | 山﨑 康良 |
リビングすき間家具 | 井島 淑隆 |
海賊の宝箱(たのしい万華鏡) | 廣瀬 勇武 |
安眠行灯 | 飯尾 勇治 |
ログハウス風 ポスト | 大石 義巳 |
「ナゼ?」…不思議な噴水だ。 | 中島 勇二 |
鍋敷きキーストッカー | 渡辺 一貴 |
切り株にささった斧 | 松本 英雄 |
鯉の滝のぼり | 谷野 幸夫 |
作品名 | 作者名 |
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ぼくのスーパーロボット! | 池上 知希 |
くつおきば | 山下 茉優 |
ハンガーラック | 笠 智景 |
ビー玉コロコロ | 芝本 了矢 |
かぶとむしピンボールゲーム | 渡邉 広太郎 |
メルヘンチックな手押し車 | 渡辺 美月 |
かれんのいす | 宮道 嘉連 |
作品名 | 作者名 |
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ウッディー物置 | 近藤 久直 |
我家のオリジナル駐車場 | 大石 冶教 |
壁の中の飾り棚 | 河村 敏弘 |
作品名 | 作者名 |
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和風庭園にマッチしたあずまや | 滝 典雄 |
Private Garden ~バラ香る~ | 由井 正弘 |
山水庭 | 稲垣 稔 |
我が家のスターマイン | 橋本 茂二 |
涼風の庭 | 村田 利江 |
審査委員評…太巻 隆信
コンテストが始まって、初めてガーデニング部門からグランプリの受賞です。この作品は受賞にふさわしく、強い印象が見る者を捕らえます。大きな蝶が羽を広げたような形の重厚な門扉に、あたかも触覚のように取り付けられたロッキングチェアの脚が印象的です。門扉を支える古城のような塀、石畳と植栽。季節の変化と年月の経過に想像が掻き立てられます。